「膵負荷状態」の話(その14)

掲示板より

「ようちゃん」の文面を拝見させて頂きました。
中国の友人の方の発症の始まりであった胆嚢結石は、それ以前から(多分、小児期から)「膵負荷状態」にあった方と推測され、根本的に膵臓の働きの弱い方である可能性が示唆されました。
慢性的な「膵負荷状態」が胆嚢・胆道系あるいは肝臓への影響を与え続けますが、病気の本質である膵臓にはなかなか辿り着きません。血液検査で膵臓の異常が見つかり、一時的に膵臓への関心が及びますが、膵負荷が軽減されると再び膵臓は無視されがちになります。そして、肝・胆道系の異常が残る場合にはこの部分の治療にエネルギーが注がれますが、この時も膵臓は“蚊帳の外状態”のままになります。膵臓に気付かれない状況下では不安が増し(心療内科的な症状も見られかもしれません)、自覚症状が強い場合には強いストレスから膵臓の働きは更に低下し、“混乱状態”に陥りやすくもなります。
明らかな膵炎の回復期、一見、膵臓には異常が見られない(自覚症状も含めて)段階でも「膵負荷状態」は続いている筈です。この段階では膵臓は非常に敏感になっており(身体を守る為です)、十分な安静が図れない場合には直ちに注意信号的なサイン(腹部症状だけではありません)を発します。このサインに早い段階で気付き、再び膵臓の存在を意識し十分な安静を守り続けることが出来れば、「膵負荷状態」も徐々に沈静化され(回復には個人差があります)、場合によっては、以前にも増して健康な日々が訪れるかもしれません。そして、今回「膵負荷状態」に至った状況を振り返り、ご自分の今の体力と生活振りとを照らし合わせ、同じことの繰り返さぬ為の“努力”(周囲の理解と協力も)も必要でじょう。そして、「膵負荷状態」を経験された方は生涯に亘って膵臓の存在を意識する必要があると言えます。
同様のことを繰り返す場合には、根本的に膵臓が弱い方か否かの把握・「膵負荷状態」にあるか否かの診断・「膵負荷状態」に陥った原因の究明・今後の対処法等についての適確な助言も有用でしょう。
非常に有難い存在である「もう一人のお母さん」を無視することは出来ません。

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